せっかくサイトを開設したので徐々に昔の作品を近々更新していこうと思ってます。
っとそれは置いといて、ここから本題
悪役ってどんなキャラを想像するでしょうか?
・主人公の邪魔をする
・性格がひねくれきってて嫌なキャラ
・非道な残虐者
でも悪役ってなんか魅力的に感じる時があります。
これは個人的な意見ですが、そう言う魅力ある悪役に共通するのが「とにかく自分の意見に肯定的」なとこにあると思いました。
というより自分の考えを客観的に捉えた上でとことん忠実で絶対的なのかもしれません。
世間の常識で考えたら明らかに間違ったことをしているのにどこか共感してしまう部分があります。
自分の好きな作品のキャラで例を挙げるなら(少し作品のネタバレ含みます)
・志々雄真実(るろうに剣心)
彼のセリフで印象的なのは「この世は所詮弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ」
このセリフには共感できる方は多いことかと思いますし、私自身このセリフは志々雄と同じく「真理」だとも思ってます。
多くの人が共感できてしまうのは「そういった事実」を体験したか、そう言う場面に出会った経験があるからでしょうか。
主人公である剣心の考え「強い存在だからこそ、弱い人々を守るために力を使うべき」という考えと正反対で、
志々雄はこの考えを「絵空事」と否定してます。
志々雄自身、政府に利用された挙句、政府に不都合な存在となり焼き殺されかけてますが、
志々雄はそのことに関しても「弱肉強食」として「油断した自分が悪い」と捉えている節があり、復讐心でなく
あくまで「海外にへこへこしている弱い日本政府に我慢ならない」という理由で日本を乗っ取ろうとしており、
自身の考え方が「悪」だと理解している上で日本の未来を考えて行動しました。
でも「弱い人は虐げられて当然」とまでは思いませんけども
この感情さえも時に「偽善」に思えてしまう時もあります。
・ブラッドレイ大総統(鋼の錬金術師)
人間の大罪とされる「憤怒」の感情を持った「人間」ベースの「ホムンクルス」として複雑な設定を持っているキャラです。
「人間」の感情も知ってるし、人間を超越した「ホムンクルス」としてのプライドも持ってます。
普通こういったハイブリットなキャラは自身の存在について考え、葛藤するシーンがありますが、ブラッドレイにこれがありません。
「人間」として生活している時も、「ホムンクルス」として役割を全うしている時もとにかく一本の筋を通してます。
なんというか、その場の状況全てを受け入れ、特にふりかかる障害を楽しんでいる印象があり、
常人なら予定どおり行かず怒り狂うシーンほど憤怒からかけ離れた感情を見せます。
ただ当然、彼が怒りを見せる瞬間もあり、
「軍人の父が死んで泣きじゃくる子供」→「軍人なのだから死ぬ事くらい考えて覚悟しておけ」
「不確定なもの(神など)にすがって生きる人」→「都合よく救ってくれるかもわからない存在に依存せず自分でやれ」
「自分の存在価値の思い違いをする人」→「自分の存在が数千、数万と同等の価値があると思い上がるな。一人は一人でしかない」と
全面的に否定し、嫌悪感を表します。
これも理由として「覚悟のできてない人間」と一貫性があります。
(3つ目場合「一族の代表として自分が死ぬから一族は殺さないでくれ」という提案に対してのセリフです)
・キャスパー・ヘクマティアル(ヨルムンガンド)
このキャラは作中悪役という描かれ方はしていませんが、思想だけ見ると悪役に匹敵するものがあります。
「ヨルムンガンド」という作品の簡単な説明をしておきますと、
武器商人の女の子「ココ・ヘクマティアル」と武器商人を心底憎む少年兵「ヨナ」が世界を共に旅をする物語。
そしてこのキャスパーはココの兄として登場するキャラクターで、彼も世界を駆け回る天才的武器商人。
常に笑顔でハイテンション且つフレンドリーなのが印象的で、自分が暗殺されかけても(って言っても護衛が瞬殺します)笑顔のままという狂人。
また人が死にまくる戦場でも口元が笑っており、うざいほどのハイテンションが変わったことは作中一度もありません。
しかしそのハイテンションから出るセリフは深いものが多いのです。
「我々の都合で戦争を起こし、都合が悪ければ平和を守るのだ」
「航空兵器がダメなら海戦兵器を売ろう。船がダメなら戦車を売る、銃を売ろう、剣を売ろうナタを売ろう、鉄を封じられたらこん棒を売ろう、それが我々武器商人だ」
これは現実にも言えますが、ぱっと見おちゃらけている人間でも、そう言う人間ほど物事を深く考えたり客観的に見たりしていることが多いです。
このことはキャスパー同様にココにも当てはまりますが、兄妹で「おちゃらけて見える」という部分の根本は正反対です。
ココも笑顔が絶えないキャラですが、そこに至るまでに「仲間の死」や武器が嫌いなのに武器を売っている「自身の思想と行動の矛盾」の上で、本心を悟られない様に「笑顔」という鉄仮面をかぶる様になります。
その点キャスパーは表の笑顔が仮面なのか素なのかのはっきりしませんが、「武器商人である自分が好き」なので素の部分が大きいと思われます。
またキャスパーの「航空兵器がダメなら海戦兵器を売ろう〜」のセリフはココの思想を「夢物語」と一喝し、全否定したセリフで(ココの思想や行動の目的は作品を読んで知っていただきたい!)作品そのもの(作者の思想?)のアンチテーゼの役割もしています。
「ヨルムンガンド」知らない人のために、アニメ公式チャンネルリンク(ニコニコ)
※下記リンク無料視聴可能(2019/4/20現在)
1話:https://www.nicovideo.jp/watch/so17588890
13話(2期1話):https://www.nicovideo.jp/watch/1350456653
他にも好きな作品の悪役は多くいますが今回は印象に残ったこの3人を例に上げました。
このように主人公だけでなく、悪役にも作者の考え方や哲学といった面で自己投影されているキャラが多く、
そしてその両者が対決することから作者の中にある「矛盾した答え同士の戦争」ともいえるのかもしれません。
それが魅力ある敵キャラクターを生み出し、物語を深くしている様に思いました。
ここからは隙がなくとも自分語りになってしまいますが、(要するに余談です)
自分は昔から主人公以上に敵に感情移入することが多く、友人や家族からも「本当悪役好きだよなお前」と言われます(笑)
なのでワンパンマンのガロウというキャラの気持ちすごくわかるのですw
そのせいか作る作品には主人公サイドのキャラ以上に悪役に自己投影した設定を多く盛り込みがちになります。
逆に主人公サイドのキャラには自分の「理想」を設定に加えることが多いです。
でも自分もとい人の理想って穴だらけだし、理想ほど不完全なものは無いとさえ思ってます。
だから主人公たちの「理想」を自己投影した悪役に否定させ、でもその否定をさらに否定してくれる理想の世界があっても良いじゃない。
っていうスタンスで今まで作品を描いてきました。
前のサイトで気弱なゼクロムが出てくる漫画を描いた時にクリムガンを悪役にした漫画を描きました。(近々サイトに載っけようと思います)
クリムガンはポケモントレーナーに捨てられたと感じ、トレーナーを心底嫌悪しており、プラズマ団の思想に賛成派のポケモンという設定です。
同じ話にツタージャも出てきますが、こちらはトレーナーに捨てられた(厳密には置いていかれた)にも関わらず、
トレーナーにも嫌悪感を示さず、むしろ今も信じて待っている節があるというクリムガンと正反対の設定です。(ただツタージャ自身も確信が持てていないので一種のコンプレックスにもなってます)
クリムガンは自分と正反対の考え方をして、なおかつそれが正しいと言わんばかりに周りがフォローしてくれる、
そんなツタージャへの嫉妬心を抱え、「トレーナーへの見せしめ」を名目にツタージャを八つ裂きにしようと目論みます。
このクリムガンの「嫉妬」こそ自分の自己投影として描き、
ツタージャの「裏切られても信じて待っている姿勢」を「理想」として描いているのがこの作品でした。(実は未完だったので完成させよう…)
つまりkarasoraは自分と正反対の見解を持ってる人が賞賛されているとイライラしてしまうという器がペットボトルのキャップくらいしかない奴なのです←
と言ってもこの性格のおかげで皮肉な表現は溢れんばかりに出てくるので悪役生成には早々困らないのですけども(開き直り)
悪役に力入ってる作品って良いよね〜ということでした!
ここからちょっとした茶番…と言う名のただの愚痴なので
マイナスな感情に触れたくない人は読むことをおすすめしません
——————————————————————————————
何で前のサイトで公開していた作品(漫画)を公開をしなかったのか。
まず「恥ずかしかったから」と言うのもありますが、
それ以上に「苦い思い出の作品になった」こともあります。
サイトをやめるとなった当時、pixiv等の「絵かきSNS」が主流になってました。
サイトという存在がオワコンになり、訪問者が激減し始めます。
ジャンルの大手サイトなら訪問者の一定数は確保できるのですが、中堅以下のサイトはそうもいきません。
そうなると作品に対するコメントは来なくなるも同然。それだけなら良かったのですが、
これは運の問題なのか、中途半端にサイトを更新してしまったのが問題なのか、
前のサイトをやめる1年ほど前から明らかにサイトに来るコメントの内容が辛辣なもが増えてきます。
というよりも「無自覚な荒らし」と言う感じの訪問者が目立ち始めました。
例を挙げるなら下の様なコメント
「あなたの作品楽しみにしているので早く更新してください」
「あなたのファンだからあなたのために言います、漫画の〜〜という設定好きじゃないです。設定を〜〜に直せばもっと面白いと思います」
「更新お疲れ様です。じゃあ次はこっちの作品を更新してください、今月中にお願いします」
こういったコメントだけが更新のたびに来る様になり、「ダメだ〜もうまともな読者いねーよコレ」と、
作品に対して苦い思いから逃げる様にサイトを閉じる決断しましたとさ。
サイトの管理人は最後にこう思いました「匿名ってこえ〜な〜」
めでたしめでたし
——————————————————————————————
Comments